PICKUP

2025.5.2


Vol.11 池田、CCO(最高クリエイティブおじさん)が日々、何を大切にしているのか聞いてみました!

今回の登場人物

●専務 専務取締役CCO
社歴は一番長く、弊社のデザイナーの巨頭
ゆるキャラさがあって可愛らしい人

このコラムの連載を始めて、今回で11回目。私は、第一企画に入社してクリエイティブ業界に入ってから、新しいことに出会い続けています。その新しいことに挑戦してクリアしたら、また次の壁が立っていて、次々に挑戦が更新されていく感覚があります。また取材を重ねるにつれて、社員の仕事への向き合い方、そして何かに挑戦している姿を見たり知ったりすることで、“早く成長したい”、“もっといいクリエイティブを届けられるようになりたい”と最初のころよりも私の気持ちや意識が変化していると感じています。
今回は弊社のCCO(Chief Creative Officer)・西澤専務が新たな挑戦をするお話です。日々、専務には、常に現場の最前線で活躍している姿を社員に見せていただいていると感じています。そこで専務が何を大切にしていて、何を考えているのかなどを聞いてみました!

続けることで見つかる新しい挑戦

今年39期を迎える第一企画。西澤専務は長野美術専門学校を卒業後、第一企画に入社して今年で33年目になります。第一企画と共に成長してきたと言っても過言ではない、たたき上げデザイナーなのです!
挑戦することは決断することでもあり、何かを始めるだけではなく、立ち止まることや終えることも決断の一つと言えると思うのですが、専務は入社して33年、大変だったことや苦悩があったなかで、「続ける」ことを選んだと言います。
「苦しいことが続いていた時期は本当にきつかったけど、“継続は力なり”という中学の時の担任の先生の言葉がずっと頭に残っているんですよね。続けていれば必ず何かがあると思って辞めなかった。それで気づいたら33年目になるんですよね(笑)。続けていたから今のメンバーとも出会えたし!」
※普段、専務は社員に敬語を使うことが多いです。こういう謙虚なところが素敵な専務です☆

仕事を続けていくなかで多くの出会いがあり、意識が変化していったという専務は、今年度、「大学の講師」という新たな挑戦をします。
「講師の話は社長に勧められて。もともとは現場でコツコツ仕事をしている方が好きなんだけど、社長のおかげで“西澤”というブランドを外に発信したいって思うようになったんですよね」

専務が考える「デザイナー」

講義に向けて資料作りを始めている専務。生徒たちに伝えたいことや専務が大切にしていることとは——

“誰に、何を、どのように”伝えるかを最低限意識して作り上げていくこと。冊子のデザインを例に挙げると、表紙は紙面に物語(ストーリー)を作ります。中面は読みやすく、興味を持ってもらうデザインにします」

これは専務がデザインを担当した財務省の採用パンフレットです。
財務省で働きたい人に向けて、財務省の活動や業務内容を紹介しています。
表紙の写真はできるところまで明るくして、新たなステージに立つ方々が真っ白な門をくぐることで、ここから始まっていくというストーリー性を持たせています。

中面は、読みやすく、これからの自分をイメージしやすいデザインを意識しています


そしてもう一つ伝えたいことは、「もともとセンスがある人はいない」と考えているということ。
これを聞いたときに「え?」って思いました(笑)。だって、センスは決まっているものだと思うから。そう返したら専務は、
「センスって自分で磨けるものだと思っているんです。センスがある人は、いろいろなものを見て、吸収して引き出しの数を増やしている人のことだと思っているんですよね。だから自分も20代のころは、ファッション雑誌を読み漁ってたくさん引き出しの数を増やしましたねー☆」
と、専務らしい回答。生徒たちに伝えたいことを一足先に聞けちゃいました!
 
弊社では月に2回若手研修を行っています。若手以外の社員が講師になり、自由テーマでお昼休みにお弁当を食べながら講義してくださいます。専務が講師をしてくださったのは1年前、私が入社したてのときでした。テーマはデザインについて。
「駆け出しのころはとにかくマネをして引き出しを作ったし、今でもいろいろなものを見て吸収しています。流行りはどんどん変わっていくし、あらゆるところにヒントは隠れているからね」
とおっしゃっていたのを覚えています。そこから私も雑誌を買うようになったり、目に入るものは意識して見たりするようになりました。
(ちなみに、専務は“黒=第一企画の西澤”というイメージをつけたいから毎日黒い服を着ているそうです※内緒です)

「よくテレビを見すぎて怒られるんだけど、あれはただ見ているんじゃなくてセンスを磨くために、引き出しの数を増やしているんですよ」という専務。

より良いクリエイティブのために

入社してから、池田はさまざまな仕事に挑戦しています。校正、編集、取材、ライティング、ディレクション……。
オシゴトコラムVol.9では、WEBディレクターである村田さんに、ディレクションをする上でのアドバイスをいただきました。(オシゴトコラムVol.9もぜひ読んでみてください☆)
今回、最高クリエイティブおじさん(=Officerを「おじさん」にもじっています笑)にお話を聞けるということで、デザイナーから見たディレクションをするうえでのアドバイスをいただきました。
「お客様のオーダーをただ伝言するのではなくて、自分自身で最終の形を想像してデザイナーと話してほしいですね。過去の事例やネットから引っ張ってきたりマネしたりすることから始めればいいから、自分なりの『こうしたい』という考えをデザイナーに共有すること。さっき言ったように、“誰に、何を、どのように”伝えるかはデザイナーやディレクターだけではなくてクリエイティブに関わる全員が大切にしなければいけないことですよね。だからディレクターの立場なら、デザイナーに遠慮しないで思ったことをどんどん言った方がいい! それでクリエイティブはよくなっていくんだから」
と教えてくださいました。

 

「何でもやる」信念

専務の「何でもやる! 仕事は断らない!」という信念は、先代の社長の方針で、33年間これを守り続けて信念へと変わっていきました。
「入社した当時は、社員4~5人という小さな会社だったけど、“何でもやる! 仕事は断らない!”そうやって会社が大きくなっていったんですよ。それに世の中にあるものは何でもできるはずなんです。実際に、人や機器を揃えればできないことはないと思うんですよね」

専務の話を聞いている時に、「村田さんも同じことをおっしゃっていたなぁ」と思っていました。オシゴトコラムVol.9で村田さんを取材している時にも「この世にあるものでできないものはないはず。だからできないと言わない」ということをおっしゃっていました。
この信念が社員に浸透していることがとても素敵なことだとも感じました。
また第一企画がさらに大きくなっていくために、今、何を考えているのか教えていただきました。
「新しい領域に踏み込んでどんどんチャレンジしていきたいし、もっと第一企画のデザイン力を底上げしたいと考えています。それぞれの人に得意・不得意があって、得意な人は技術を教える立場になってもらいたいし、苦手なものがあっても一定のレベルにまでは上げられるようにみんなでなっていきたいと思っています!」

いや、絶対に200色以上ある。

今回、「専務を取材したいです!」と申し込んだら「印刷の立ち合いに行くけど一緒に来る?」と誘っていただき、何の制作物の立ち合いか分からないまま後ろをついていきました。
立ち合いに行った理由は、ある制作物のデザインの背景が黒色で、その黒色をお客様が求めている色にしたいけど、納期まで時間がないから直接立ち会って印刷された色を見るということでした。その立ち合いの現場がすごかった!
黒は黒でも、黒一色でできているわけではなくて、CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・黒)を混ぜ合わせて作られています。
(ちなみに、WEB上ではRGBという色の三原色で表現されます)
なので、それぞれの比率で少し青みがかっていたり赤みがあったりなどさまざまな黒が作り出されるのですが、「こんなの絶対200色以上あるじゃん」というのが感想です(笑)。色を追及して求められる色を作るあの現場は、まさに職人の域! 本当にかっこよかったです。
そして、お客様からのどんなオーダーにも応えて、カタチにする専務の姿も見ることができた貴重な機会でした☆
 


\今回、池田がスキルアップしたこと!/

  • いろいろなものを見て、引き出しを増やすことでセンスは作られる
  • 「何でもやる」信念を大切にしていきたい
  • “継続は力なり”続けることで見える景色がある

33年間、第一企画と共に成長してきた最高クリエイティブおじさんこと西澤専務。
デザイナーとして大切にしてきたこと、日々何を考えているのかを知る貴重な機会でした。
実は専務のお父様が教員だったことから、子どものころは「先生になるのかな」と漠然と考えていたそうです。しかし、何かを作り出すという喜びの方が強く、デザイナーの道に進むことを選びました。
今では第一企画のデザイナーの巨頭になり、今年度、大学の講師をすることは、「先生になる」という夢が叶ったことでもあるようです! 続けていれば、必ず何かがあるということをこのような形で専務に見せていただきました。

ここまで読んでくださりありがとうございました! 次回のコラムもお楽しみに☆

|

|

次コラム